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アニサキス Q&A | 消化器内科の新橋内視鏡クリニック(虎ノ門・霞が関・内幸町)

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アニサキスはこわい?〜テレビでのコメントをめぐって〜

アニサキス写真

今年(2017年)の5月は「アニサキス」について、テレビやネットのニュースで大きく取り上げられました。

私も以前書いたブログの記事をきっかけに、いくつかのテレビ局から取材を受けることになりました。

5月10日からビデオ録画や生出演でコメントさせていただいた番組は以下の通りです。

  • フジテレビ「めざましテレビ」
  • テレビ朝日「羽鳥慎一のモーニングショー」(録画+生出演)
  • フジテレビ「とくダネ!」
  • TBSテレビ「新・情報7daysニュースキャスター」

その他、二次使用などでさらに数番組。

なお、6月27日の日本テレビ「ザ!世界仰天ニュース」スペシャル版「食中毒」でビデオ出演予定となっています。


アニサキス Q&A

テレビでのコメントで、十分お伝えできなかったこと、あるいは誤解を招きやすい内容について、
「Q&A」の形でまとめさせていただきました。
「アニサキス」について考える上で、ご参考になさってください。

なお、アニサキスの生態やアレルギーの実態については、まだまだわからないことがたくさんあります。私の知識と経験だけでは不十分なのですが、とりあえず参考になればと思い、書かせていただきました。

Q)アニサキスっていったい何ですか? ▼

アニサキスは寄生虫の一種で、回虫の仲間です。
長さは2-3cm、直径は0.5から1mmくらいの細長い虫で、白い色をしており、肉眼で見ることができます。
ふだんは魚の内臓に潜んでおり、お刺身やお寿司などでこの虫を食べると、激しい痛みなどを起こすことがあります。


Q)アニサキスを食べると必ずひどい症状が出るのですか? ▼

そういうわけではありません。ざっくりした計算では、アニサキスを食べた人のうち、3〜4%が激しい痛みや吐き気を訴えます。
これを「急性胃アニサキス症」、あるいは「劇症型アニサキス症」と呼んでいます。
アニサキスへの反応があまり起きず、軽い炎症だけが続く場合、アニサキスを取り巻くような腫瘤ができたりする場合は、「緩和型アニサキス症」と呼ばれることがあります。

アニサキスを食べても、多くの方は全く症状がないか、せいぜい軽い痛みや胸やけ程度で終わると考えられます。


Q)どんな食品に注意が必要なのですか? ▼

日本近海の160種類あまりの魚にアニサキスがいます。
新鮮なお魚をさばいてみると、内臓の部分に数匹〜数百匹のアニサキスを認めることがあります。

アニサキスは内臓の部分でじっとしていることが多く、魚が釣られて弱ってきたり、さばかれたりするときに、筋肉(私たちが食べる部分)に逃げ込んでくるのです。
比較的新鮮なお寿司、刺身、シメサバには、十分な注意が必要だと言われています。


Q)「ナマ」で食べるのがよくないのですか? ▼

生きのいいお魚には、生きのいい虫がいます。
厚生労働省の指針によれば「加熱」が一番安全です。60度の過熱で1分。70度の過熱では一瞬で虫は死にます。
冷凍ではどうかというと、日本の基準ではマイナス20度で24時間冷凍するとよいとされています。
ただ、やはりお寿司やお刺身は「生きのよさ」が命。下記の点に留意しながら、おいしく食べたいですね。


Q)よく噛めばよいのでしょうか? ▼

よく噛んだからといって、安全とはいえません。
まず、アニサキスは噛み切れません。輪ゴムのような感じで、噛み切れないのです。また、アニサキス症の腹痛や吐き気は「アレルギー」によるものなので、虫が死んでも完全には防げません。
しいて言えば、よく噛むことで、虫の存在に気付くか、粘膜の下に潜り込む力をそぐ効果はあるかもしれません。


Q)ワサビが効くという話がありますが… ▼

以前から、ワサビがアニサキスの動きを抑えるという話があります。醤油や酢、シソやショウガも話題です。

国立感染症研究所の杉山広先生(「モーニングショー」で一緒に出演した先生です)の有名な研究があり、ワサビは確かに効くのです。アニサキスの動きが止まります。
しかし、動きを止めるのに必要なワサビの量は、最低でも100g、テレビでは「バケツに一杯」と表現されていました。ちょっと食べるのは無理そうですね。


Q)では、何かよいお薬はないのでしょうか? ▼

アニサキスは、よく効く「駆虫薬」がないのが問題です。回虫に効くサントニンや、蟯虫のコンバトリンは効きません。

一番確実な治療法は「内視鏡で虫を摘除すること」です。アレルギーの原因となるアニサキスがいなくなれば、胃の炎症がひいて、症状がどんどん軽くなります。
とはいえ、どこでも緊急内視鏡ができるわけではありません。近くの薬局で買えて、アニサキスの動きを抑える薬はないのでしょうか?

こうした薬の有力な候補として「正露丸」があります。
もともと日露戦争の時に、兵士たちの胃腸病を治すための薬として作られたもので、実験ではかなり良い結果が出ています。
消毒剤の成分を含んでいるので、大量に飲むのは危険ですが、1回3〜4錠の常用量でも、有効性があるという報告があります。

漢方薬の「安中散」や「香蘇散」にも抑制効果があるのですが、臨床報告では、効く場合も効かない場合もあり、不確定です。

痛みを抑える薬としては「ブスコパンA」などが市販されています。医者が腹痛を抑える薬「臭化ブチルスコポラミン」の製剤で、胃腸の動きを止めて、胃の痛みを抑えることができます。
ただし、緑内障、前立腺肥大、心臓病のある方は、病気が悪化する可能性があるので、注意が必要です。

いずれにせよ、「正露丸」や「ブスコパンA」などは、何かの時に備えて、薬局で買っておくと役に立ちます。


Q)アレルギーを抑える薬はどうでしょう? ▼

実際に、臨床で使っている先生もいらっしゃいます。
アニサキス症の本態は「即時型アレルギー」です。

アニサキスが胃に入り、胃の粘膜下層に潜り込むことで、激しいアレルギー反応が起きます。
胃の粘膜が強い炎症で腫れあがり、皮膚のじんましんとよく似た状態になります。これが痛みと吐き気の原因です。したがって、アレルギーを抑える薬は理にかなっています。

ただ注意してほしいのは、ステロイドホルモンの使用です。即効性のステロイドを使う場合が多いようですが、ステロイドは免疫反応を抑えますので、もしアニサキスでなく、細菌性の胃腸炎だったりすると、感染が悪化する可能性があります。

きちんと診断をつけようとすると、内視鏡検査をすることになり、目の前に虫がいれば、当然摘除して治療も完了になりますね。
内視鏡をしなくても治療ができるのは大変魅力的ですが、確定診断なしにステロイドを使う場合は十分な注意が必要です。


Q)「内視鏡の治療」はすぐに受けられますか? ▼

当クリニックでは、緊急の内視鏡検査に対応できるよう、午前・午後を問わず、予約枠を幅広く取るようにしています。
診察時間内の、午前10時から、昼休みの13〜15時をはさんで夕方18時ころまで、胃・大腸の内視鏡が受けられます。

「アニサキス症」を診断するためには、症状が出たその日、あるいは翌日の内視鏡検査が必要となります。「アニサキスかもしれない?」と思ったら、すぐクリニックにお電話ください。

皆さんの苦痛や不安を和らげることができるよう、スタッフ一同、迅速で真摯な対応を心がけています。