もはや「アニサキス・クリニック」??

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2017年5月にアニサキスという寄生虫のニュースがテレビで流れ、私も「アニサキス専門家」として、あちこちのテレビに出演しました。
その効果があって、最近は毎週のように「アニサキス症にかかったのでは?」という方がクリニックを訪れます。

これまでは、年間5-6人だった患者数が、2018年は何と、1年間で47名、62隻!
(アニサキスは〇匹ではなく、〇隻と数える。まぁ、現場では○匹と数えていますが…)
毎週1名、アニサキスが見つかっている計算です。
(この数字は「内視鏡で摘除」した件数。)

一人で4隻の方が2名、3隻の方が2名でした。
1隻取ったからと安心してはいけないのです。

アニサキスがあまりにも多く見つかるので、
「いっそのこと、『アニサキス・クリニック』に改称したら?」
と知り合いの先生に笑われました。

「胃アニサキス症」は意外と多い

もともと「アニサキス騒動」の発端は、
「全国で年間6件の報告数が、2016年に、20倍以上の124件に増加した!」
というものでした。
いや、全国で6件たって、うちだけで6件いるよ!という話だったのです。
要するに「届け出」が徹底してないということ。
「食中毒」ではないし、流行しないので、保健所としても重視していなかったんですね。

テレビ朝日『羽鳥慎一のモーニングショー』でご一緒した感染症研究所の杉山広先生は、
この道のスペシャリストですが、彼が医療機関の保険請求書を用いて調べた予想数は「年間8000件」でした。
ただ、アニサキスの件数はもっと多いはず。
なぜなら、アニサキスはヒトの胃の中では3-4日で死んでしまい、流れてしまうからです。

だから一般の病院では、アニサキスがなかなか見つからない。
「お腹が痛い!」と言って来院したとき、
「じゃ、今すぐ内視鏡をしましょう!」と言えないからです。
たいていの病院では、
「内視鏡検査は3-4週間後の予約です」
となってしまう。これでは見つかりません。

早めの対処がとても大切

私たちのクリニックでは、
「昨夜、寿司(刺身)を食べたら、夜中から腹痛と吐き気がひどくなった」
という電話を受けた場合、
「じゃ、今すぐ来てください。今日中に内視鏡検査をしましょう!」
となる。
この違いが大きいわけですね。

ちなみに「胃アニサキス症」では、前日の夜8-9時ころ寿司や刺身(日本近海の
160種類余りの魚や貝にアニサキスがいます)を食べ、夜中の2-3時ころ、激しい痛みと吐き気が出て眠れなくなります。
その日のうち、遅くても翌日に内視鏡検査を受ければ、アニサキスを摘除できるのです。

痛みが起きるのは、アニサキスが噛みつくのではなく、苦しがって胃の粘膜下に突き刺さって「皮下注射」の状態になるからです。
「アニサキス・アレルギー」が起きて、胃の粘膜が「じんましん」のように腫れ上がるその刺激で激しい痛みと吐き気が起きるのです。
だから、アニサキスの虫を取り出した後も、痛みが残ることがあります。
胃薬とあわせてアレルギーのお薬を出しているのはそのためです。

「胃アニサキス症」は、皆さんが想像しているより「ありふれた病気」です。
「もしかして?」と思ったら、いつでもお気軽に電話してください。
早めの対処がとても大切だからです。

アニサキス摘除の料金について

アニサキスを内視鏡で摘除すると、「日帰り手術」の扱いになります。
3割負担の方で、1万6-7千円の窓口負担になりますが、生命保険や共済組合の医療保険に入っていると、一部のお金が戻ってきます。
自己申告制ですので、ご加入の生命保険、あるいは共済組合にお問い合わせください。

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