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内視鏡検査報告書の用語解説

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内視鏡検査報告書の用語解説

当クリニックで検査を受けられた際、検査結果の「報告書」をお渡しする場合があります。
診断に関する「用語」についてのご質問が多いので、ここで解説いたします。

<ポリープ編>

■ポリープ

「ポリープpolyp」とは、「盛り上がった病変」のことです。
良性でも悪性(がん)でも、盛り上がっていれば「ポリープ」と表現されます。細胞を採ってみて(生検)、はじめて良悪性がわかる場合もあります。

■胃のポリープ

胃にできるポリープは、@胃底腺ポリープ、A過形成性ポリープ、B腫瘍性ポリープ(胃腺腫、胃がん)に大きく分けられます。

■胃底腺ポリープ

ピロリ菌のいない「元気な胃」によくできるポリープです。白っぽくて表面がつるつるしており、まわりの粘膜と同じ構造をしています。
細胞を採ると、病理診断で「胃底腺ポリープ Fundic gland polyp, Group 1」という結果が返ってきます。
胃の本来の腺組織(胃底腺)の細胞が、胃酸による炎症のために成長のブレーキが効かず、高く積み上がりすぎた状態といえます。
胃底腺ポリープは多発することが多く、数十個になることもたびたびありますが、ピロリ菌はいないので、胃がんになることはまずありません。内視鏡医がこのポリープを見たら、「この人は胃がんにならないな」と思うくらい、安全なポリープだと言えます。

■過形成性ポリープ

ピロリ菌のいる胃に多いのが、過形成性ポリープです。
色が赤くて、凹凸があり、形は少しいびつになっていることが多い。
病理診断は、「過形成性ポリープ Hyperplastic polyp, Group 1」で返ってきます。
こちらも炎症で細胞が増加するタイプですが、ピロリ菌が存在しているため、「胃がんになる可能性」があります。
大きさが2cmを越えると、数%にがん細胞が認められます。
ピロリ菌の除菌治療を受けると、消えてしまうことが多いので、2cm以下のポリープでは、まず除菌治療をお勧めいたします。

■胃腺腫

胃の良性腫瘍です。大きくなると胃がんになる可能性があり、「前がん状態」ともいわれています。
ピロリ菌(+)の胃で、細胞の一部に遺伝子変化がおき、細胞が増殖して盛り上がったもので、白い色でやや凹凸があり、表面の構造に乱れが生じています。
病理診断は、「Gastric adenoma, Group 3」と表記されることが多い。
1cmを越えるようなものは、内視鏡手術(ESDなど)の対象になりますが、小さいものはピロリ菌の除菌治療で消えることもあります。
良性の腺腫だと思って切除したら、実はがんだったという場合も多いので、見つかったらきちんと治療を受けることが大切です。

■胃がん

胃がんの一部が、ポリープの形で見つかることがあります。早期胃がんなら、隆起型(0-T型)、表面隆起型(0-Ua型)と呼ばれ、進行胃がんなら、腫瘤型(1型)と表現されます。
表面は赤い色調が多く、凹凸があり、表面の構造の乱れがかなり強くなっています。進行がんなら、凹凸が強く、硬さがあり、出血しやすいのが特徴です。
病理結果は、「Gastric adenocarcinoma, Group 5」と表示されます。細胞のもとの形を保っている「高分化型」〜「中分化型」、構造の崩れた「低分化型」〜「未分化型」に分類されます。
いずれにせよ、内視鏡か手術で切除する必要があります。この結果が出たら、ただちに専門病院への受診をお勧めしています。

■胃粘膜下腫瘍

特殊な隆起性病変として、「粘膜下腫瘍 Submucosal tumor: SMT」があります。
粘膜の下の層には、血管やリンパ管、脂肪組織や筋肉、神経があり、その一部が大きな塊になって、粘膜を下から押し上げている状態です。普通のポリープは、まわりの粘膜との間に境界線がありますが、粘膜下腫瘍では境界線が認められません。
脂肪腫や平滑筋腫など、危険性のない腫瘍も多く、毎年の検査で大きさが変わらなければ、そのまま様子をみるだけでよいでしょう。
ただ、中には次第に大きくなって、あちこちに転移を起こす腫瘍もあります。有名なのは、「GIST(消化管間質腫瘍: Gastrointestinal Stromal Tumor)」と呼ばれるもので、2cmを越えたら手術で切除すべきだと言われています。
生検では、粘膜の表面細胞しか採れないことが多いので、きちんと内視鏡で定期チェックすると安心です。

■大腸のポリープ

大腸のポリープは、@過形成性ポリープ、A腫瘍性ポリープ(腺腫、鋸歯状腺腫、大腸がん)、Bその他のポリープ(若年性ポリープ、炎症性ポリープなど)に分類されます。

■過形成性ポリープ

胃の過形成性ポリープと同じく、通常の細胞が盛り上がっただけの、安全なポリープです。
過形成性隆起と呼ばれる、正常な人に多い隆起は、直腸やS状結腸で多く見られます。ほとんどが無害なものですが、一部で下記に述べる鋸歯状腺腫に関連するものがあるため、5mmを越えるポリープや他の部位に生じたポリープは生検や切除が行われることもあります。

■腺腫(腺管腺腫)

良性腫瘍ですが、「前がん状態」とも考えられるので、基本的には治療(内視鏡的切除術など)の対象になります。
大腸がんの多くは、遺伝子変異によって、正常細胞⇒腺腫⇒大腸がんに変化してゆくと考えられています。
日本ではこれまで、5mm以下のポリープは切除しなくてよいと考えられてきました。しかし、小さながんの診断ができるようになり、欧米のようにクリーンコロン(すべてのポリープを切除した状態)が望ましいという意見も多くなっています。
病理結果は、「Tubular adenoma of colon, Group 3」と表現され、危険度によって、「low grade」〜「high grade」などと表記されます。「high grade」は、がんに近い高危険群なので、きちんと切除する必要があります。

■鋸歯状腺腫

良性の腫瘍で、細胞を顕微鏡で見ると「ノコギリの歯」のように見えるので、鋸歯状腺腫と呼ばれます。
過形成性ポリープと混在するなど、細胞の変化は軽いのですが、一部は徐々に悪性化して大腸がんに進むことがあるため、内視鏡できちんと切除することが勧められるようになりました。
右半分の大腸(盲腸、上行結腸、横行結腸)にできるものは、粘液を産生するタイプが多く、鋸歯状腺腫SSA/P(Sessile Serrated Adenoma/ Polyp)と呼ばれています。便や粘液に隠れていることが多いので、診断には注意が必要です。

■大腸がん

腺腫の大きさが10mmを越えると、その半数に大腸がんが見られると言われます。
小さな病変でも、へこんだ(陥凹型)病変や一部に陥凹を伴った病変はがんであることが多いとされています。 見た目で判断するなら、がんは凹凸が強く、赤い色調で出血しやすいという特徴があります。怪しいと思ったら、内視鏡できちんと切除してしまうか、一部を生検して検査に出す必要があります。
病理結果は、「Tubular adenocarcima of colon, Group 5」です。胃と同じように、高分化型〜未分化型までの分類がありますが、大腸では「高分化型」が多く、きちんと切除できれば生命が助かる可能性が高いのです。

■若年性ポリープ

小児から若い成人に多いポリープで「若年性ポリープ Juvenile polyp」と表記されます。
がんになることはなく、安全なポリープですが、時に頭部が脱落して下血を起こすことがあり、見つけたら切除しておくのが普通です。

■炎症性ポリープ

潰瘍性大腸炎など特殊な炎症性病変で、取り残された正常粘膜がポリープ状に見えることがあります。
病理検査では、「Inflammatory polyp, Group 1」と表現されます。
一般的にはそのまま様子をみますが、潰瘍性大腸炎では大腸がんができやすいことから、まぎらわしい形をしたポリープは切除されることがあります。

■グループ分類について

細胞の結果(病理検査結果)は1週間くらいで判明します。
「グループ Group 分類」は、細胞の悪性度をわかりやすく表現したものです。
グループ分類は1〜5までの段階があり、「1が正常、5ががん」です。
グループ1:正常/炎症細胞
グループ3:良性腫瘍
グループ5:悪性腫瘍(がん)
2は、炎症細胞だが腫瘍の可能性がある。4はがんの可能性が高いが確定診断できないというレベルです。
「グループ1」以外では、担当医の指示に従ってください。